「ノルウェイの森 / 村上春樹」読み終わりました。
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルグ空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。
巷で「1Q84」が流行っているようなので、村上春樹さんに興味を抱きどんなもんかと。村上作品初の私はとりあえず「ノルウェイの森」から読んでみようと思った。
最近はずっと東野圭吾さんばかり読んでいたせいか、どうも読みにくくなかなかストーリーに入り込めませんでした。
冒頭の回想シーンでの直子のいうセリフがぴんとこない。
時代背景のせいもあるのか、どうしても19,20歳の会話とは思えない。
描写が異様に細かく、特に直子の長く語る心境は、めんどくせぇ女だな、って思ってしまうもんだから感情移入ができない。
だからなのか、読み進めていくうちにどんどんワタナベくんに惹かれていってしまう。緑や、レイコさんや、直子のように。
ワタナベくんの意思はどこにあるの?
ワタナベくんはなにがほしいの?
流されて、振り回されて、すべてを受け入れてしまうようにも見えて、でも自分がしたいことがあると周りが一切見えなくなってしまうワタナベくん。
優しさなのか、優柔不断なのか。
だけど、どんどん惹かれていく。
とても公平で、穏やかで、正直であるがゆえに相手を傷つけてしまうことも。無意識のうちに他人を傷つけてしまう怖さも感じた。だけど、ワタナベくんは嘘をつかない。ワタナベくんといると心が安らぐっていう登場人物の女性達の気持ちがよくわかる。ワタナベくんみたいな男の子にそばにいて欲しいって思う。
直子は気付いてしまっていたのでは。。
ワタナベくんが緑を愛し始めてしまったことを。
直子は誰よりも、キズキよりもワタナベくんを愛していたのでは。。
一生、ワタナベくんの心に刻み込まれるよう自ら命を絶ったのでは。。
ワタナベくんが離れてしまうのを気付いてしまったから。怖かったから。
一度病んで、壊れてしまった心はもう元には戻らないのだろうか。。
村上春樹さんは医者の言葉を借りて
「(精神病患者の)問題点のひとつはその歪みを認めて受けいれることができないというところにあるのだ」と言っている。
あたしはまともなんだろうか。
ただ歪みに慣れてしまっているだけなのかもしれないなと思ったり。
想像していた以上に "恋愛小説" で、赤裸々な性描写や露骨な表現に驚きつつ、会話のやりとり、特にワタナベくんと緑の比喩的会話がおもしろく思わず噴き出す場面もあった。
最後の終わり方は中途半端な気がした。。ワタナベくんはどこにいるのかわからないまま37歳になってしまい、今もまだわからない、というのだろうか。。
2010年秋には映画化も決定しているとのことなので、時間をみつけてもう一度ゆっくり読んでみようと思う。
監督は「I Come With The Rain」のトラン・アン・ユン監督。
主演は松山ケンイチくん。
直子は菊地凛子さん、永沢さんに玉山鉄二さん。
ますますワタナベくんが好きになってしまうかもしれない予感。。
最後はもうレイコさんになって読んでましたから(笑)
怖いくらいな頭脳明晰、冷徹な永沢さんは玉鉄にぴったりですねぇ。
直子と菊地凛子さんのイメージはあまり結びつかないのですがどのような演技を見せてくれるのか今から楽しみです。
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評価:
村上 春樹
講談社
¥ 540
(2004-09-15)
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村上 春樹
講談社
¥ 540
(2004-09-15)
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